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防災通信発行で備え呼び掛け 松本の松原第6町会・黒澤正吾さん

これまでに発行した防災通信を振り返る黒澤さん

 松本市松原地区の第6町会で「防災アドバイザー」を務める黒澤正吾さん(62)は、平成30(2018)年から、町会内に災害への備えを呼び掛ける「防災通信」を発行し続けている。地震や水害、火山などの防災情報を独自に調査し、詳細に記述している。これまでに28号発行し、町会メンバーの防災意識向上に一役買っている。

 黒澤さんが文書作成ソフトや表計算ソフトで手作りし、A4判に印刷して、町会の回覧として発行している。糸魚川―静岡構造線断層帯に起因する地震の被害想定や、避難所での感染症予防対策、火山噴火時の注意点などテーマは多岐にわたる。
 目を引くのは詳細なデータの数々だ。公的機関のホームページなどから独自に収集し、出典元を明記した上で掲載する。専門的な内容も多いが、図や表を交えてわかりやすくまとめている。
 元々防災に興味があり、平成30年に町会独自で設けた防災アドバイザーの役職に就いたのがきっかけで発行を始めた。帰宅後など空いた時間で「趣味的に」制作するという。
 1日に発生した能登半島地震は「あそこまで道が壊れるとは思わなかった」と改めて自然の脅威を感じたという。地震ではトイレ不足が浮き彫りになったと感じ、備えを呼び掛けるつもりだ。黒澤さんは「災害時に少しでも生き残るための助けとなれば」と話した。