政治・経済

「書かない窓口」スタート 塩尻市役所の市民課 申請書記入不要・署名のみ

市役所で始まった「書かない窓口」。来庁者の負担軽減のため、聞き取りをした職員が申請書を作成する

 塩尻市の市民課窓口で29日、来庁者の負担軽減を目指す窓口支援システムの運用が本格稼働した。来庁者が書類を書かずに手続きできる「書かない窓口」とうたい、従来は他部署で渡していた書類の一部を渡せるようにした。今後も改善を重ね窓口サービスを向上させる方針だ。

 窓口では、住民票など各種証明書の取得に必要な交付申請書や異動届を、市職員が来庁者に聞き取って代理で作成している。来庁者は記載内容を確認して署名すればいい。記載台で幾つもある申請書から申請者本人が選んで記入し、窓口に提出する煩わしさを省いた。国民年金関連の約50の手続きは、書類に住所や生年月日を印字し、署名するだけにした。
 近隣の塩尻総合文化センター内に担当課がある市立小中学校の指定校通知書や、ながの子育て家庭優待パスポートも市民課窓口で渡せるようにし、18歳以下の転入で福祉課に提出が必要な福祉医療受給者証交付申請書は、市民課で申請書を用意する。
 異動に伴う3月末からの繁忙期には、来庁者ごとに手続き案内書を作り渡す。今後は市民課で対応できる業務を増やして、他課でも印字の申請書を渡せるようにし、お悔やみ手続きのサポート窓口の設置準備を進める。市の各支所では証明書別に必要だった交付申請書の記入を1枚にまとめた。
 池田光宏市民課長は「聞き取りで多少時間をいただくが、他課を含む手続き全体の時間は短縮できるようになる」と説明している。