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中高生が演劇の作り方学ぶ まつもと市民芸術館

山本さん(右)を講師に、演出について話し合う参加者たち

 松本市深志3のまつもと市民芸術館は3月24日まで、中学生や高校生を対象にした全8回の演劇ワークショップ(WS)を開いている。劇場に足を運ぶことが少ない世代へのアプローチとして初めて企画。10人が参加し、最終回での短編上演に向け制作過程から体験している。

 同様のワークショップの実績がある劇作家・演出家・俳優の山本卓卓(すぐる)さん(36)=東京都=が講師を務める。4回目となった28日は参加者たちが同じテーマで手掛けた脚本について、演出プランを考えた。山本さんは状況やせりふの背景などを問いかけながら丁寧に場面づくりを進め、「演者が納得して動くことも、取りあえずやってみることも大事」などと助言していた。
 波田中学校2年生・山本さくらさん(14)は「分からない部分を仲間と解釈するなど、作品づくりでの意思疎通の大切さを学べる」。東京都市大学塩尻高校の演劇部2年生・高原彩樹さん(17)は「部活だと演者になることが多いが、演出も学べていい刺激」と意欲的に取り組んでいた。
 講師の山本さんは参加者の主体的な姿勢を評価し、「一人一人異なる意見や感じ方を持ったまま共同体が出来上がることを感じてもらえれば」と期待していた。