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松本出身・山崎貴監督の「ゴジラ―1.0」 米アカデミー賞の視覚効果賞にノミネートで地元に喜びの声

松本市美術館の特別展で展示されたゴジラと、会場を訪れた山崎監督(令和5年7月14日)

 松本市出身の山崎貴監督(59)の最新作で、ゴジラ生誕70周年記念映画として昨年11月に封切られた「ゴジラ―1.0(マイナスワン)」が日本時間23日夜、米アカデミー賞の視覚効果賞にノミネートされたことを受け、松本平の関係者に喜びの声が広がった。山崎監督は一夜明けた24日朝、市民タイムスの電話取材に応じ「ゴジラという大スターが僕に新しい風景を見せてくれた」と声を弾ませた。

 山崎監督は「まさかこんなことになるなんてびっくりしている」。受賞作が発表される3月に向けて「これ以上望むと罰が当たりそうなので静かに見守りたい」と謙遜した。
 山崎監督の仕事を紹介する初の大規模特別展を昨年開催した、松本市美術館の武藤美紀学芸員(51)は、ノミネートの行方をユーチューブのライブ配信で視聴したという。「特別展にはゴジラも出展され、来館者に大人気だった。本当に光栄に思う」と喜んだ。
 松本市高宮中の映画館・松本シネマライツでは公開以来、客足が堅調でリピーターも多い。ゴジラ―1・0のモノクロ版も今月から上映されており、柳島健支配人(55)は「映画の街松本の劇場としてとてもうれしく思う。ぜひ引き続き多くの方に見てもらいたい」。
 山崎監督の母校・松本県ケ丘高校の100周年記念事業で昨年監督との座談会に参加した2年生の田中葉さん(17)は「既に2回鑑賞したが臨場感がすごい。先輩の活躍を心から尊敬する」と話した。
 映画を介した街づくりで山崎監督と長年親交がある、一般社団法人・松本映画祭プロジェクトの河西徳浩代表理事(57)は「山崎監督と(監督が所属する)白組が世界最高峰のVFX(視覚効果)を作り上げてくれた。いよいよ世界の山崎になってきた」と歓喜。松本初のアカデミー賞監督の誕生を待望した。