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塩尻の上小曽部住民組織が将来構想 1年余検討 区に提言

報告書を手渡す成田会長(中央)

 塩尻市洗馬上小曽部区の住民組織「上小曽部の将来を考える会」(成田均会長)は、明るく住みよい区を目指すための活性化策や改善点をまとめ、区に提言した。上小曽部転作促進センターでこのほど、波多野光男区長(66)にA4判20ページの報告書を渡した。

 同会は令和4年11月に発足し、30~70代の男女16人が1年余り、15回にわたって会議を重ねた。
 上小曽部の良い点の活性化と、悪い点の改善点の各6項目をまとめた。良い点として「小曽部は塩尻の軽井沢」との表現で自然環境の良さを挙げ、情報発信や体験・イベントの企画立案、特産品開発を提案した。一方、少子高齢化などを課題に挙げ、空き家を利用した移住促進や自治組織の見直し、事業を推進していくための組織の検討を提案している。
 1日現在、区の人口は276人で、統計が残る中で最も多かった昭和50(1975)年から6割減となった。高齢化率は5割を超え、市内66区の中で6番目に高い。こうした状況に危機感を覚え、令和4年度に区長だった武居英明さん(68)が会の設立を呼び掛けた。
 武居さんは「区の将来に向けて16人が熱い思いを巡らせた。一読の価値があるものに仕上がった」と手応えを話す。成田会長は「一つでも実現して、皆が健康で安心・安全に暮らせる区になってほしい」と願った。波多野区長は「今後の区の運営に反映させたい」と応えた。