教育・子育て

「どっこい清掃」の歴史聞く 聖南中、元中学校教諭・小沢正長さん招き

「どっこい清掃」創始者の小沢さん(左奥から2人目)を交えて記念撮影する生徒たち

 筑北村の聖南中学校で23日、4年ぶりに復活した「どっこい清掃」を46年前に始めた元中学校教諭・小沢正長さん(75)=安曇野市豊科=らを招き、当時の話を聞く「どっこい清掃参観」が開かれた。当時の同僚教諭や教え子、現生徒の保護者ら8人も同席して語り合い、全校生徒72人が伝統の清掃に込められた熱い思いを受け止めた。

 小沢さんは、昭和53(1978)年に聖南中でどっこい清掃が始まったきっかけについて、上半身裸の短パン姿でくみ取り式トイレの便器を外して磨いた清掃だったと紹介した。その上で「一番汚い所をきれいにする中で、生徒たちも面白がって参加した。『どっこい』の掛け声も生徒の誰かが始め、自然とそんな方式になった」と振り返り、「さっきも生徒たちの大きな掛け声が聞こえて、うれしくなった」と話した。
 どっこい清掃「第1期生」の渡辺安子さん(58)=坂北昭和町=は「当時はどう汚れを落とすかを考え楽しみ半分で続けた。伝統になるとは夢にも思わなかった」と語った。同級生の久保村公雄さん(58)=坂北仁熊=は「始めた当時もすごいが、復活させた(本年度の)生徒と先生もすごい。伝統を引き継いでほしい」とエールを送った。
 新型コロナウイルス禍で3年間中止していたどっこい清掃の復活を受け、「当時の思いに触れて〝確かなもの〟とし継承につなげよう」と、同校PTA(宮入清文会長)が企画した。1年・山崎進翔さん(13)は「最初は恥ずかしかったけれど自信にもつながった。昔は寒い中も上半身裸ですごいと感じた。伝統を誇りに思って続けていきたい」と話していた。