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四賀への移住で空き家紹介 所有者向け初の相談会

多くの住民が訪れた空き家のお悩み相談会

 松本市の四賀公民館と四賀地区地域づくり協議会は23日、市四賀支所で空き家のお悩み相談会を開いた。4月に相続登記が義務化されるのを機に、移住の受け皿を増やそうと初めて企画し、地元住民約20人が説明に耳を傾け、真剣に相談した。24日も午後7時から同支所で開かれる。

 四賀地区の空き家バンクを運営する塩田朱美室長(57)が、相続登記や空き家の売却までの一連の流れを説明した。相談室には移住希望者からの問い合わせが本年度上半期に100件余りあり、「都会だけでなく地方都市からも来ている。自然が豊かで松本市街地や安曇野に近い四賀地区はすごく人気がある」と述べた。
 移住希望者は中古住宅を求める子育て世代が多く「更地より直せば住める家がある方が買い手がつきやすい」と紹介した。「多少壊れていても買い手は自分で直すので気にしない」といい、相談室では所有者に直すことを求めていないことも伝えた。
 参加者からは「今住んでいる家や土地を子供が『いらない』と言っている。相続放棄はできるのか」といった質問があり、「国に土地を引き渡す国庫帰属は、四賀地区の場合条件的に難しい」とし、「放置しても結局お金がかかる」として早めの対処を勧めた。
 四賀地区には昨年7月現在で188軒の空き家がある。空き家バンク「ハレホレ四賀」では、令和2年9月からこれまでに26件が成約した。現在の登録空き家は4件だけで、引き合いに対して少なく、塩田さんは「空き家への移住が四賀の未来にもつながる」として登録を呼び掛けた。