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リユース用の子供用品回収を松本市が休止 ごみの持ち込みが増加で

 松本市は22日から、使わなくなった子供用品を集めて必要な人に配布する事業「松本キッズ・リユースひろば」のリユース(再利用)品の回収を休止した。リユースできないごみの持ち込みが大きな理由の一つで本年度は特に多いという。市は「市民の好意で成り立つ事業。ごみを持ち込まないで」とモラル向上を訴えている。

 回収場所は市内25カ所の地域づくりセンターと市役所東庁舎4階の環境・地域エネルギー課で、回収できるのは衣類やベビーカーなどの大型育児用品、帽子や絵本などの小物類となっている。汚れを落とすことや、壊れているものは持ち込まないように呼び掛けているが、吐しゃ物のしみが残ったままのチャイルドシートや衣類など、明らかに再利用できないものが持ち込まれている。蛍光灯や家電といった子供用品ですらないものもあり、同課の担当者は「ごみを捨てられたようだ」と切ながる。
 「使えないなら市で捨ててくれ」という人もいるが、市がこれらを産業廃棄物として処理する場合、一般廃棄物として市民がごみステーションに出すよりも多額の費用がかかる。「もったいない」の精神で取り組むリユース事業が本末転倒の事態になっている。
 同事業は平成27(2015)年度に始まった。毎年10トンほどのリユース品が寄せられ、中にはクリーニングに出したものや、新品を寄せてくれる人もいるという。これまでの備蓄があるため来年度の配布会は例年通り開く予定だが、いつまで回収を休止するかは状況を見て判断する。同課の担当者は「来年度で10年目の事業で広く市民に浸透している。今後も盛り上げていけるように協力してほしい」と話している。