凍り餅作り、祖母から孫へ 寒中の作業も「一緒なら張り合い」

松本市今井の農業・清沢竝子さん(80)が、孫のあかりさん(21)と一緒に、冬季の伝統的な保存食・凍り餅作りに精を出している。納屋の軒先にすだれ状につるされた凍り餅が、冬の風情を醸し出している。
ついた餅を切り分け、一つ一つを和紙でくるんで16個を一連にする。それを数日間水に浸し、明け方が氷点下5度以下となる日に軒下につるして寒風にさらす。凍って解けてを繰り返して乾燥した餅は素朴な甘さに仕上がる。お湯に溶かしたり、砕いて料理に入れたりして味わう。
昨年に県農業大学校を卒業し、実家で見習い農家として働き始めたあかりさん。凍り餅作りは「餅をつく時は熱いし、干す時は寒いし大変。でも、多くの人に凍り餅を知ってほしい」と語り、活用レシピを考えるなどやる気十分だ。清澤さんは「寒い中の作業も一緒なら張り合いがあって心強い」とほほ笑む。
凍り餅は3月中旬ころに完成し、順次道の駅今井恵みの里やファーマーズガーデンやまがたへ出荷する。