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信大病院に認知症治療外来 新薬保険適用受け開設

 信州大学医学部付属病院(松本市旭3)は23日、脳神経内科に認知症治療外来を開設する。認知症で初めて根本的な治療につながるアルツハイマー病の新薬レカネマブの保険適用を受け、従来の認知症外来を刷新する。16日に脳神経内科の関島良樹教授(58)が記者会見した。

 国内の認知症患者は、前段階の軽度認知障害を含め1000万人いるとされ、約3分の2がアルツハイマー病という。昨年12月に発売されたレカネマブはアルツハイマー病の原因となる、脳に沈着した異常なたんぱく質「アミロイドβ」を取り除き、進行を遅らせる効果が確認されている。
 投与は軽度認知障害と軽度認知症の患者を対象とし、適応判定後、2週間に1回、原則1年半の点滴治療を行う。脳のむくみや出血といった副作用が20%程度と比較的高頻度で見られることから、薬の使用は基準を満たした施設の関連学会専門医に限られ、信大は7人が担当する。
 関島教授は「大学病院として率先して治療を推進し、ノウハウや情報を共有してどの地域でも治療を受けられるよう各医療機関と連携を進めたい」と話している。
 認知症治療外来は個人では予約できず、かかりつけ医の紹介状で受診する。レカネマブの治療だけでなく幅広い認知症診療を行い、信大で開発されたインターバル速歩などの運動療法も計画している。

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