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松本の深沢静月さん 県現代書藝全国展で最高賞

文部科学大臣賞を受賞した深沢さん

 松本市島内の書道教室主宰・深沢静月(本名・悦恵)さん(59)が第28回県現代書藝全国展で文部科学大臣賞を受賞した。応募のあった1436点の中から最高賞に選ばれた。高評価に驚きながらも喜びをかみしめ、指導を受けた書家に感謝の気持ちを表している。

 中国・唐の時代の詩を題材に、漢字部門に出品した。行ごとに文字の大きさを変えたことから、文字や行間のバランスに苦心した。「作り上げていく中でまとまってきた」と話す。
 深沢さんは10歳で書を始め、社会人になってから市内の西村学園で故・西村古香さん、西村水穣さんに指導を受けた。「めったに褒めない師匠が、受賞を喜んでくれたことがうれしい」と笑顔を見せる。
 小学校1年生の時に、書き取りの宿題で花丸が欲しいと願い、懸命に仕上げた。「きれいに書きたいという気持ちがあったのかな」と振り返る。米国で暮らした時期も含めて、長く書と向き合ってきた。自らの書道教室に通ってくる子供の上達が喜びで「『教室に行くのが楽しい』と言ってくれる」と目を細める。
 展覧会ごとに作品づくりに打ち込む。「少しでも伸びしろがあるなら、前に行けるように勉強したい。今よりうまくなりたい。練習あるのみ」。受賞を機に、新たな境地へ進む意欲を見せている。
 県現代書藝全国展は20、21日、松本市水汲のキッセイ文化ホールで開かれる。午前9時半~午後5時(21日は3時)。

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