貴重な浮世絵ずらり 松本市立博物館特別展が13日開幕

松本市立博物館(大手3)の開館記念特別展の第2弾となる「至極の大衆文化 浮世絵―酒井コレクション」のオープニングセレモニーと内覧会が12日、同館で開かれた。松本市島立の日本浮世絵博物館が所蔵する「酒井コレクション」の中から、大衆文化の影響を色濃く反映した作品を展示する。会期は前期が13日~2月4日、後期が2月10日~3月3日。
式典には関係者約50人が出席した。展示品を提供した、日本浮世絵博物館の酒井浩志代表理事(36)は「国内でも数点しかない貴重な作品も展示している。この機会にぜひ見てもらいたい」とあいさつした。
展示は「浮世絵の名品」「浮世絵が大衆文化になったきっかけは?」など全7章で構成し、前期は約50点を並べた。酒井コレクションは日本3大浮世絵コレクションの一つで、松本で問屋をしていた酒井家が江戸時代から代々、収集・保管してきた。色落ちや変色など作品が傷むことを防ぐため、有名な葛飾北斎の「富嶽三十六景・神奈川沖浪裏」は、22日まで2週間限定で展示する。絵師が描いた1点物の肉筆画も飾られた。
会期中、ギャラリートークや講演会、浮世絵の摺り体験講座など12イベントが開かれる。担当学芸員の本間花梨さんは「浮世絵が誕生した江戸時代、主な購買層は庶民だった。江戸時代の人と同じ目線で作品を楽しんでほしい」と話していた。
午前9時~午後5時。火曜休み。特別展の単独券は1000円(大学生600円)、常設展とのセット券は1200円(大学生800円)。いずれも高校生以下は無料。問い合わせは市立博物館(電話0263・32・0133)へ。