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山岳遭難過去最多の302件 昨年の県内、入山者増加

 県警は5日、県内で昨年1年間に発生した山岳遭難の状況を公表した。発生件数は前年より18件多い302件、遭難者数は同22人多い332人で、件数、遭難者数ともに統計を取り始めた昭和29(1954)年以降で最多だった。7~10月に天気が安定し、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したこともあり入山者数が増えたことが影響したとみられる。

 県警山岳安全対策課によると、遭難者のうち無事に救助される人の割合が年々増えている。道迷いや疲労などでけがをすることなく救助される遭難は、準備不足や技量と山岳とのミスマッチが原因になっていることが多く、同課は入念な準備や情報収集を求めている。
 山系別では北アルプスでの遭難が164件で、全体の約55%を占めた。態様別では転・滑落が88件(全体の約30%)、転倒が75件(約25%)、疲労が42件(約14%)、道迷いが30件(約10%)、病気が24件(約8%)などだった。
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 県警は年末年始(12月29日~1月3日)の山岳遭難の発生状況も公表した。31日から1日にかけて天候の悪化が予想されたことなどから入山者数が少なく、発生件数と遭難者数は前年より6件10人少ない1件1人だった。
 松本市の20代男性が、31日に北アルプス五竜岳で遭難、翌日に救助されており、事前の情報収集不足や判断ミスに起因するとみられるという。

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