地域の話題

鳥居峠越え外国人も安全に 観光宣伝協が注意点記した英語のパンフ

外国人旅行者に「鳥居峠を越える場合の注意点」を呼び掛ける英語表記のパンフレット

 外国人観光客に安全に鳥居峠を歩いてほしい―。こんな願いを込めた英語表記のパンフレットができた。旧中山道の鳥居峠(1197メートル)を境に隣接する木祖村と塩尻市の観光関係者でつくる中山道鳥居峠観光宣伝協議会が5000部を作り、駅や観光案内所などに置いた。十分な準備をしないまま、半袖や短パン姿で峠を歩こうとする外国人旅行者の、特に単独旅行者に見られる軽装姿を見て作成を思いついたという。

 携帯に便利なA4判の三つ折りサイズで、JR薮原駅から峠を経由して奈良井駅までの約6キロのコースを歩く際の注意点を載せた。「遊歩道から外れて山の中に入らない」「蜂や蚊に刺されない服装で」「峠のトイレ・休憩所は冬期間は閉鎖」などと呼び掛ける。
 3時間ほどで峠や旧宿場町を歩くことができる両駅間は外国人観光客に人気で、本年度、薮原駅で下車した外国人旅行者は10月末時点で5172人と、日本人(2540人)の2倍超(薮原駅調べ)。木祖村観光協会は「新型コロナウイルス禍で減った来訪者数が戻りつつある」とみる。
 同協議会は、峠を歩く旅人に向け、熊よけの鈴を無料で貸し出す取り組みも実施しながら、安全な旅の提供を通じた"もてなし"を実践している。協議会の本年度事務局・木祖村観光協会の担当者は「注意を払ってもらうきっかけになればうれしい」と話している。