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ニッパーの置物 児童見守る 中山小卒業生が母校に寄贈

昇降口に並んだニッパーの置物

 松本市中山小学校の昇降口に、「ビクターマーク」として知られる犬・ニッパーの置物が並んでいる。卒業生で音響機器メーカー・日本ビクター(当時)に勤めた横内隆昌さん(82)=茨城県坂東市=が収集品の一部を寄贈したもので、子供たちが独自に名前を付けてかわいがっている。

 ニッパーは、蓄音機から流れる亡くなった主人の声に聞き入るような姿を見せた非常に賢い犬と伝わる。横内さんは、同校が来年度小規模特任校になることを市民タイムスの紙面で知り、児童数が減少した母校を元気付けようと、世界的にも有名なニッパーの置物を夏に大小12点贈った。
 子供たちは登下校時に頭をなでたり声を掛けたりして親しみ、プリン、ばにら、ノットなど新たに名前も考えた。名付け親となった5年生たちは「(由来を聞いて)立派な犬だと思った」「かわいい。癒やされて元気になる」などと話し、死んだペットに似ていると思いを込めてかわいがる児童もいるという。
 横内さんは「楽都の松本は蓄音機に耳を傾けるニッパーに一番ふさわしい場所。世界中に知られた由緒ある犬で中山がピカッと光ってくれたら」と願っている。同校は、多くの人に公開できるよう貸し出しも検討していくという。