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漆塗り食器で心も温かく 木曽漆器工業協同組合 塩尻市内のこども食堂に提供

組合が寄贈した漆塗りの器と箸

 塩尻市楢川地区で漆器の製造、販売に携わる人たちでつくる木曽漆器工業協同組合(小林広幸理事長)は本年度から、市内で開かれている「こども食堂」に漆塗りの食器を提供していく。子供たちが温かな料理を味わいながらだんらんも楽しめる場を、地元の伝統的産業の担い手として応援することにした。

 今後は食器や箸の修繕も担いながら、継続的に活動を支援する予定だ。器と箸は1月以降に使われる。
 組合は組合員に協力を呼び掛け、第1弾として汁わん24個、飯わん14個、皿10枚、箸33膳をこのほど、こども食堂「一汁一菜 えんしょく」を運営するNPO法人えんしょく(中村小太郎理事長)に贈った。箸にはかわいらしいウサギのマークも入っている。組合の小林理事長は「本物を使ってほしいとの思いと、安全安心面から木製の漆塗りを用意した。喜んでもらえたらうれしい」と語った。組合の武井祥司事務局長は「できるかぎり産地として協力し、継続していきたい。子供の頃から木と漆の食器に触れることで情操教育にもつながるのでは」と期待している。
 「一汁一菜 えんしょく」は毎週土曜日午前11時半から、大門一番町の市民交流センター・えんぱーくで開いている。毎回30食を用意し、子供たちに無料で提供。大人が利用する場合は食材費として500円を寄付する。1月は6日から。心を込めて調理をする増永真理さんは「すてきな器と箸をいただいた」と喜び、感謝している。