連載・特集

2024.1.6 みすず野

 大学入学共通テストが間近に迫り、日ごと緊張感や気合の高まっている受験生も多いだろう。勉強の最後の追い込みに余念なく、それと人知の及ばぬ神頼みも忘れることなく◆大勢が二年参りや初詣に出掛けて神様にしっかりお願いをしたことは、境内を彩る絵馬の数を見ればおのずと分かる。きっと念を込めて、志望の大学や高校の名称を記したに違いない。筆圧に力がこもっている◆「二年参り」が地域文化を伝える方言であることを小紙連載中の「松本平方言辞典おらほのことば」で、おととし末に知った。松本平(長野県)では旧暦だった時の風習で、大みそかの夜から新年が始まるため日付が変わるころ社寺に詣で、結果的に12月31日と1月1日の2年にわたってお参りしたことになる。新暦の新年になって初めて社寺に詣でる共通語の初詣と区別して使われる言葉だと、信州大学名誉教授の沖裕子さんが書いておられた◆受験生たちが、いろいろ我慢したり、悩んだりしてここまでたどり着いたのを想像するに難くない。感染症や風邪に気をつけてベストな状態でテストをどうぞ迎えてください。当日はちゃんとお守りも持って。