連載・特集

2024.1.29 みすず野

 先週金曜日付の釣り情報は、2月16日に県内一部漁協が渓流釣りを解禁すると伝えている。それに合わせて、15日に犀川漁協が犀川の田沢橋下流など5カ所にニジマスの成魚を放流するという。今季の渓流釣りシーズンが始まる◆テレビの演芸番組「笑点」の大喜利メンバーとして出演し、10年間司会を務めた落語家・桂歌丸さんは、渓流釣りの名人としても知られた。著書『岩魚の休日』(ヤマケイ文庫)のカバーには、41センチという大物のイワナの魚拓が使われている◆渓流釣りは、奥利根の集落から約8時間、そこからさらに半日かけてたどり着く深い山が目的地だった。その様子を中心に記している。渓流以外の数釣りでも驚く記録を残す。諏訪湖のワカサギ釣りで、1000匹というとんでもない釣果を上げた。「釣りが私の人生の半分といってもいいぐらいです」と◆渓流釣りの解禁は、春の訪れが近いことを告げる。まだ雪が降る日もあるだろうが、川の流れにさおを出す喜びは格別に違いない。どうか今年だけは春に早くやってきてほしい。寒さに耐える被災地にだけでも早く。来年、再来年の春を前借りしてもかまわないから。