連載・特集

2024.1.21 みすず野

 ウインタースポーツシーズンで休日にスキーやスケートを楽しんでいる人もいることだろう。レジャーが多様化した昨今、下火の感は否めないが、スケートも以前は人気があった。今は冬になると太公望たちが糸を垂らし、ワカサギ釣りに興じている美鈴湖も、スケートをする人たちでにぎわったころがあった◆昭和35(1960)年には、第15回国体スケート競技会が美鈴湖で開かれた。温暖化がいわれる前の頃、湖面もしっかり結氷したのだろう。その頃、学区内に設けられた田んぼリンクでスケートをしていた小学生たちにとって美鈴湖が憧れのスケートリンクだったことを想像するに難くない◆その美鈴湖の隣に昭和44年、浅間温泉国際スケートセンターが開業した。平成23(2011)の廃止まで、国際大会も開催され、国内外のトップスケーターたちが競い、好タイムが連発されたことから「記録製造リンク」と呼ばれた時期もあった◆一帯に多くのスケーターが集まり活気に満ちた名残はもうない。いや、一つある。昭和26年に建立された、美鈴湖北の道路端にある俳人・石川拈華の句碑だ。「スケートの眉にせまるや雪の山」