連載・特集

2024.1.20 みすず野

 納豆に含まれる、たんぱく質分解酵素・ナットウキナーゼは、血管内の血の塊・血栓を溶解する作用がある。このため納豆を食べると、脳梗塞や心筋梗塞の予防効果が期待される。このことを、日本ナットウキナーゼ協会(事務局・大阪市)がアピールしようと、制定したのが血栓予防の日◆厚生労働省の人口動態調査によると寒い時期に血栓ができやすいことから、大寒に当たることの多い1月20日にしたという。20日を「2(ツ)0(マル)」と読む語呂合わせにも由来する◆発酵食品の納豆が健康によいことは大勢の知るところだが、平成19(2007)年に起きた大ブームを覚えている人もおいでだろう。テレビの情報番組で「ダイエットに効果がある」と紹介されたのを機にスーパーストアなどの小売店で納豆が爆発的に売れ、品薄状態が続いた。松本市内のスーパーストアで取材した折の、うれしい半面、戸惑いも隠せない、店長の複雑な表情を思い出す。ブームは番組の内容に捏造があったと発表されて、あっけなく去った◆健康は誰もの願いだ。適切な情報を得ることが肝要になるだろう。足るを知ることにも気をつけたい。