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甘く熟れる柿 軒につるされ 妻籠 冬の風物詩「つとっこ」

軒につるされ妻籠宿に彩りを添えるつとっこ

 南木曽町妻籠宿の各所に、柿をわらに包んで甘く熟れさせる「つとっこ」が今年もつるされている。旧中山道の情緒を残す宿場を彩り、冬の風物詩になっている。

 木工品販売の「木の店 あぶらや」では、同店を営む伊藤伸三さん(86)の妻・君江さん(82)が、20年以上前から毎年作り店先につるしている。風情ある町並みに鮮やかな柿の実が溶け込み、カメラを向ける旅行者の姿も多く見られる。
 わらで包むのは柿が熟れても崩れ落ちないための工夫という。かつては貴重な甘味で、伸三さんは麦をいって粉にした「麦こがし」と果肉を混ぜ食べた記憶に「こんなにおいしいものはなかった」と振り返って笑顔を見せる。年明けの1月半ばころに食べ頃を迎える。

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