政治・経済

週休2日工事1件のみ 塩尻市の促進策利用低調

市の週休2日工事の実施要領

 塩尻市が発注する工事で受注業者が希望した場合、週休2日で施工できる仕組みの利用が、昨年6月の開始以降、対象の14件のうち1件にとどまっている。週休2日で工事期間が延びても、増えた工事費は市が上乗せして支払うなど、業者に不利益になることはない。ただ、週休2日を希望しない業者には、交通規制や周辺店舗への影響などを懸念する声があり、仕組みが浸透しない背景となっている。

 週休2日工事を選択できる仕組みは、建設業の担い手確保や労働環境改善を発注者として支援する目的で実施している。設計金額3500万円以上の工事が対象で、災害復旧、建築工事(機械設備・電気工事を含む)は除く。工事後、市が週休2日の取り組み実態を確認した上で、実際に掛かった工事費や人件費、機材借り上げ費などを反映させた契約内容に変更する。週休2日で工期が延びたとしても、市の業者に対する評価に影響はない。
 市財政課によると、週休2日を希望しなかったケースは道路、土木工事が多い。現場周辺への影響の懸念に加え、人手不足の影響も想定される。週休2日で週休1日と同じ期間で仕事をこなそうとした場合、1日当たりに必要な人員は増える。それを敬遠する業者もいると推測される。
 一方、週休2日を希望したのは、上西条浄水場の関連施設の解体工事だけだった。
 13日の市議会12月定例会一般質問で、牧野直樹氏(新政会)の質問に、高砂進一郎企画政策部長が答弁した。県は10月から、発注段階で週休2日工事を指定する仕組みを取り入れている。高砂部長は、市も同趣旨の仕組みの導入を検討する意向を示し「建設業界の働き方改革に寄り添った制度のあり方を検討していく」と述べた。