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秀峰4年の米久保さん(16) 難関突破し気象予報士に

気象予報士の登録通知書を手に笑顔をのぞかせる米久保さん

 合格率5%前後という難関国家資格「気象予報士」の試験に、松本市の米久保敬吾さん(16)=松本秀峰中等教育学校4年=が合格した。学業と部活動の合間にこつこつと勉強を重ね、目標に据えた「2回目の受験」で見事合格をつかみ取った。

 地元の源池小学校から秀峰に進学した米久保さん。バスケットボール部に所属し「体を動かすのが好き」なスポーツマンだ。一方、「新しい知識を得るのが楽しい」と好奇心旺盛で、昨夏に「高校受験がない分、何かを極めたい」と思い立った。幼い頃に訪れた博物館で、湖底の地層から大昔の気象や気候変動を読み解く展示に夢中になったのを思い出し「気象のことをもっと知りたい」と気象予報士試験の受験を決めた。
 試験には学科と実技がある。学科は1度合格すれば、1年以内の再受験で試験を免除されるため「2回で受かろう」と決めた。毎日1日2時間以上、参考書や過去問に取り組み、1月の試験で学科に合格した。
 しかし、実技試験は不合格で、難しさに打ちのめされた。天気図からデータを読み取り、局地的な気象の予想などを行う1問75分の難問を二つ解かなければならない。過去問に取り組むも「最初は倍の時間をかけても解けなかった」。それでも諦めず、8月の2回目の実技試験までに10年分の過去問と向き合った。
 10月、自宅に届いた合否を告げるはがきを友達と確認し「合格」の2文字に思わず叫び声を上げた。解いてきた過去問を並べ、喜びをかみしめた。
 合格で満足することはなく、気象への興味と関心は尽きない。米久保さんは「まずは大学で、気象学をもっと深く学びたい」と目を輝かせる。
 試験を主催する気象業務支援センター(東京)によると、米久保さんが合格した8月の令和5年度第1回(通算第60回)試験の受験者数は4290人。合格者は206人だった。