政治・経済

松本市長選 現新4氏の構図濃厚に 告示まで3カ月

 任期満了に伴う松本市長選(来年3月10日告示、17日投開票)は告示まで3カ月となった。21日に出馬を表明する方針の無所属現職・臥雲義尚氏(60)=中央3=に対し、いずれも無所属新人の会社社長・上條邦樹氏(54)=中央1、元信越放送専務の菱山晋一氏(68)=沢村2、衆院議員秘書・赤羽俊太郎氏(40)=笹賀=が挑む構図が固まりつつある。

 臥雲氏は市議会12月定例会の閉会日に出馬表明した後、体制づくりを本格化するとみられる。市全域に構築した後援会組織が強みだが、「コロナ禍で集会や顔合わせができず、組織の手入れが十分でない」(後援会幹部)。菱山氏の後援会に前市政の関係者が多く、20歳若い赤羽氏の登場で「厳しい選挙になる」と緊張感を持って体制構築を急ぐ。
 上條氏は博物館の用地問題などで現市政を批判し、SNS(交流サイト)で意見を発信する。12月定例会に市が提出した太陽光発電施設の適正設置を目指す条例案は「企業目線の推進条例」と疑問視、否決するよう市議に働きかける。地域づくりセンターを訪問し、地域課題の改善を要望するなど独自の活動を展開する。
 菱山氏は後援会の設立総会を3日に開き、企業経営者らが役員に名を連ねた。日中は企業や町会へのあいさつ回り、夜はミニ集会と精力的に動く。キャッチコピーに掲げる「対話と実行」に基づき1対1の対話を重視する。後援会幹部は「精力的に動いているが、知名度は現職に及ばない」とし、顔と名前を覚えてもらう現在の活動に力を注ぐ。
 赤羽氏は現役世代と子育て世帯、組織に属していない有権者に支持を広げる狙い。SNSを活用し、若者を中心としたネットワークを構築する。前回選で臥雲氏を支持した若い世代からも出馬要請を受けた。長く国会議員秘書を務め、理事である松本青年会議所の仲間など培った人脈で支援の輪を広げる。草の根で後援会組織の結成を目指す。