地域の話題

蘭桧笠 作り方教え合う 伝統継承へ講習会 4年ぶり

教え合いながら蘭桧笠を作っていく参加者

 南木曽町吾妻に伝わる県伝統的工芸品「蘭桧笠」の作り方を学ぶ講習会が9日まで地元の販売拠点・ひのき笠の家で開かれている。新型コロナウイルスの影響から4年ぶりの開催で、ベテランから初心者まで15人が参加し、350年以上続く技術の確認や継承をしている。

 笠はひのきを細長く薄い短冊状にした「ひで」を組んで作る。参加者は技術に応じ、小さなサイズの「七寸笠」から、飾りを施した難度の高い編み方をする最上級品「上九天」までそれぞれ制作した。ベテランを中心に教え合い、ひでを縦横に組んで円すい形を作り仕上げた。
 桧笠に関心があり初参加した町内のカール映香さん(36)は「立体的に組んでいくのは難しかったが丁寧に教えてもらえ楽しく取り組めた」と何枚も完成させていた。
 蘭桧笠生産協同組合が年度ごとに2回開いている。現在笠の生産を担う作り手は5人ほどといい、20年以上生産に携わる橋場智恵美さん(81)は「みんなで作り合える場は貴重。伝統を守っていくのは大変だが継承につながる機会になれば」と願っていた。