連載・特集

2023.12.9 みすず野

 30年前のきょう、松本市と姉妹都市の兵庫県姫路市にある姫路城など4件が、日本で初めて世界遺産に登録された。他の三つは奈良県の法隆寺地域の仏教建造物、鹿児島県の屋久島、青森県と秋田県にまたがる白神山地◆世界遺産はご存じの通り、人類の歴史を表す遺跡や建物などの文化遺産、美しい自然や珍しい植物、動物があったり、いたりする地域などの自然遺産、文化遺産と自然遺産両方の価値を備える複合遺産の三つがある。貴重な遺跡を守るための運動をきっかけに生まれ、人類の大切な宝物は、国境を越えてみんなで守っていくべきだという考えが広まり、ユネスコ(国連教育科学文化機関)で取り決めができた◆姫路市は本年度、世界遺産登録30周年記念事業を多数展開している。その一つとして光と水、音楽が響き合い、観衆を魅了する「鏡花水月」が11日まで、姫路城三の丸広場で開催中だ◆姫路城と同じ国宝の松本城も推進実行委員会を設けて世界遺産登録を目指している。登録されれば、さらに松本城の魅力を世界に発信できよう。ただ、光のあるところ必ず影ができる。影の部分も考慮して進めるのが肝要になる。