学習スペース 若者に人気 松本市博物館 午後9時まで

10月に開館した新たな松本市立博物館(大手3)の1階が、若者の学習スペースとして積極的に利用されている。1階は市民に開放する空間として設計されており、夕方になると46席はほぼ学生たちで満席となる。利用者で混雑する中央公民館(Mウイング、中央1)から拠点を移す高校生もいて、早くも若者の居場所として認知されつつある。
市立博物館の1階は午前9時から午後9時まで開放し、定休日は第3火曜日と年末年始のみ。利用時間の長さと、定休日の少なさが利用しやすい理由だ。
大学受験を控えているという松本秀峰中等教育学校6年(高校3)生の津村彩さん(17)は「これまではMウイングを利用していたけど、自宅に近い博物館の利用が多くなった」と話す。松本県ケ丘高校2年生の大野玲央さん(17)は「友達から聞いて来てみた。博物館の学習スペースはまだあまり知られてないので席に余裕があるみたいだ」と話し、試験勉強に打ち込んでいた。
公共施設の学習スペースは近年、ニーズが高まっていて市は積極的に開放している。Mウイングのフリースペース(42席)の昨年度の利用者は4813人で前年度(3184人)の約1.5倍となり、7月に62席に増やした。それでも満席の場合は1階会議室や3階視聴覚室を空けて対応する。市生涯学習課・中央公民館の石川善啓課長は「満席の時は博物館を紹介している」と話す。
従来の博物館は高校生との関わりが薄く、市は開館当初から高校生が関わるイベントを実施してきた。市立博物館の加藤孝館長は「高校生との関わりができたことはうれしい限り。今後、満席になった場合は1階講堂を使用するなど対応を考えたい」と話している。