時代行列 妻籠宿練る 通常規模 4年ぶり

伝統的な町並みが保存されている南木曽町吾妻の妻籠宿で23日、恒例の時代行列「文化文政風俗絵巻之行列」が行われた。新型コロナウイルスの影響から4年ぶりに通常規模で行い、江戸時代の装いをした町民ら120人が練り歩いて旧中山道の宿場としてにぎわった往時を再現した。
渡島総合グラウンドを出発し、妻籠宿を通って大妻籠に向かう5㌔ほどの道のりを歩いた。国内外の大勢の観光客が、町民や旅人役などでつくる江戸情緒あふれる行列を見守った。最も注目を集める「花嫁」役は、妻籠出身の会社員・橋本沙羅さん(22)=名古屋市=が務めた。「小さな頃から親しんできた行事に花嫁役で関われ思いがかなった」と笑顔を見せた。
行列は昭和43(1968)年、町並み保存事業開始をきっかけに始まった。主催する住民団体・妻籠を愛する会の藤原義則理事長は「通常開催ができほっとした。記憶をつなぎ、往時のにぎわいから町並み保存の意義を見つめる機会になれば」と話していた。