安曇野日赤の赤字幅改善 本年度上半期の経営状況

本年度上半期の経営状況が報告された運営協議会

 安曇野市豊科の安曇野赤十字病院(木下修院長)は22日、同病院で開かれた運営協議会に本年度上半期(4~9月)の経営状況を報告した。本業のもうけに当たる医業収益は前年度同期より3・4%増の33億1238万円で、上半期としては平成22(2010)年の新病院建設以降で最高となった。医療事業損益は1億1997万円の赤字だが、赤字幅が17・7%改善した。

 入院診療収益が前年度同期比7・3%増の23億9432万円と好調だったため、医業収益が伸びた。血管内治療センターの開設で循環器疾患の患者受け入れが増えたこと、救急車の受け入れが増えたことで入院延べ患者数が増加した。重症患者の積極的な受け入れで入院診療単価が伸びたことも奏功した。
 一方、医療材料費の高騰で医業費用が2・5%増の34億3235万円とかさみ、医療事業損益の赤字は解消できなかった。ただ、新型コロナウイルス関連の補助金で中間純損益は6億2215万円の黒字を確保した。
 同病院は経営改善の取り組みとして、昨年度から救急車の受け入れを積極的に行っている。救急要請件数に占める受け入れ件数の割合を示す「救急車応需率」は、昨年1月に82%まで低下した。徐々に改善し、同病院は同協議会で「90%以上を維持できるようになった」と説明した。病床の使用を制限するほど看護師不足が深刻という課題もあり、ホームページのリニューアルによる募集の強化などで確保に努める。
 上半期の入院延べ患者数は前年同期比1765人増の4万3305人、外来延べ患者数は1553人減の5万720人だった。