教育・子育て

市科学作品展で4年連続金賞 穂高北小の小林君、自由研究で

自由研究で4年連続で金賞を受賞した小林君。誕生日にもらった顕微鏡が相棒だ

 安曇野市穂高有明の小林昊誠君(11)=穂高北小学校6年=の夏休みの自由研究が、市内小・中学生の自由研究作品を審査する「市科学作品展」(市教育会主催)で、4年連続で金賞を受賞した。毎年、長い期間をかけて生き物を観察し、疑問に思った生態は実験で確認。その熱量とオリジナリティーが評価されている。

 今年は虫が光に向かう習性「正の走光性」を調べた。自宅近くの殺虫灯に虫がぶつかる音が気になっていたことから、光に集まる虫の種類を調査。5月から約3カ月間、殺虫灯に集まった虫を記録した。水生昆虫のガムシは光を水の反射だと勘違いして餌を探している│という仮説を立て、検証実験もした。
 研究を振り返り、「見たことない虫をたくさん見られた」と喜ぶ小林君。幼い頃から恐竜や生き物が大好きで、昨年はカブトムシの交尾から産卵、ふ化して成虫になるまでを1年がかりで観察した。4年時はテントウムシの生態、3年時はカエルの体色変化を研究。いずれも日々の観察で生まれた疑問を自由研究にまとめている。
 「市科学作品展」は夏休み後、各校の優秀な自由研究を持ち寄って理科の教員が審査し、学年ごとに金賞、銀賞、銅賞を決める。今年の審査対象は114点で、小中学校で計21点が金賞となった。小林君の作品は昨年と今年、全金賞の中から3点が選ばれる「県学生科学賞作品展覧会」への推薦作品になっている。
 4年連続で金賞となった小林君は、審査をする教員の中でも有名だ。市教育会展覧会運営委員会の担当者は「金賞は前年のテーマを継続した研究が多い。小林君は毎年テーマを変えていて金賞なので珍しい」と驚く。
 最近は授業で微生物を学び、自宅の池のコイに寄生する甲殻類・チョウモドキに興味がある小林君。「観察していたら明かりに寄ってきた。正の走光性があるのかも」と胸を躍らせる。「一生を研究にささげられる。将来の夢は古生物学者」と笑顔を見せる。