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伝統の福俵づくり継承 新春初市へ準備着々 安曇野市豊科の成相区と新田区 

大俵に化粧縄を巻く住民たち

 安曇野市豊科の成相区(寺田一樹区長)と新田区(藤倉栄二区長)で新春の初市(あめ市)の準備が進んでいる。市無形民俗文化財の「福俵曳き」は来年1月8日で、成相区は引き回す「大俵」と奉納する「小俵」を完成させ、御柱に付ける巾着の製作に入っている。新田区は「大俵」と「小俵」を作っている最中で、12月中旬までに完成予定だ。若い世代がお年寄りから作り方を学びながら、伝統行事を盛り上げようと頑張っている。

 成相区は、今月中旬に福俵づくりを始め、5日間かけて大俵と小俵を仕上げた。5日間で延べ60人が参加した。18日と19日に仕上げ作業をし、俵に化粧縄を巻いた。
 福俵保存会の山本市平会長(78)は「俵が(引き回しの最後まで)形を保ってくれれば」と願う。寺田区長は「ウィズコロナ時代にでき得る限りのことをやり切り、さまざまな行事の復活や盛り上がりをさらに加速させられる象徴的な初市にしたい」と意気込む。
 新田区は18日に福俵を作り始めた。初日は福俵保存会とあめ市実行委員会の16人が参加し、大俵の芯となるわら束をウインチなどを使って固く締めた。芯に巻く俵表もわらとひもで編み上げた。
 26日には俵に巻き付ける飾り縄を編む。藤倉区長は「新型コロナウイルスによる行事の衰退がどこの地域でもあったと思う。新年に向かって区を盛り上げ、暗さを脱却したい」と話している。
 成相区の初市は1月6日と8日、新田区のあめ市は7日と8日に予定されている。