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武道家・金子佳正さん 独自の武道理論を冊子に

「融合の武法」を掲げ笑顔を見せる金子さん

 松本市今井の武道家・金子佳正さん(71)がこのほど、独自の武道理論や技法をしたためた冊子「融合の武法」を自費出版した。空手、合気道、居合道、杖道、体術の五つの武道を修め、自身が主宰する武道塾・正心会で、100人に上る会員を指導してきた。冊子には「自身が歩んで来た道を後世に継承してほしい」との思いが込められている。

 冊子はB5判の69ページで90部製作した。「理論編」と「技術編」に分け、全ての武道に通ずる心構えや各武道ごとの技法を説いている。素早さや力強さが求められることが多い武道だが、冊子では「ゼロモード」と呼ぶ力が抜けた状態や「円状動体」と呼ぶ曲線的な動きを取り上げ、年齢によらない身のこなしや間合いの取り方を重視している。
 22歳の時に空手を始め、人間の限界を究める武道の奥深さに引かれた。しばらくは空手一本で稽古を積んだが、7年ほどたって居合道を始め、40代になると合気道や杖道にも手を伸ばした。複数の武道を「融合」させることで、それぞれの共通点や相違点が認識され、自らの取り組みを客観的に捉えることができるようになったという。
 約半世紀にわたって積み上げた経験を「次の世代に」と考え、古希を迎えるのを機に丸1年かけて冊子にまとめた。「冊子をきっかけに同じ価値観を持つ仲間を増やし、楽しく武道を続けたい」と笑顔を見せた。冊子についての問い合わせは金子さん(電話090・7805・4165)へ。

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