政治・経済

山形でりんごオーナー収穫満喫 制度は本年度で終了

赤く色づいたリンゴを収穫するオーナー

 山形村観光協会が企画する「りんごオーナー制度」の利用者たちが今月中旬から下旬にかけて、村内各地の農園でリンゴの収穫を楽しんでいる。希望者が木のオーナーになってリンゴ狩りを楽しむ人気の催しだ。30年余り続き、村への誘客や特産品のPRに貢献してきたが、園主の高齢化や、リンゴの木が改植の時期を迎えていることなどから協会が主導するオーナー制度は本年度で終了する。

 受け入れ園の代表でつくる園主会の副会長・榑沼智幸さん(47)の農園では、富山県や神奈川県からオーナーが訪れ、摘み取りを満喫している。親子3世代で参加した島ヒフミさん(78)=富山県砺波市=は真っ赤に色づいた実に「大きい!おいしそう!」と歓声を上げた。
 25年ほど利用している吉田雅一さん(65)=同=は「観光旅行を兼ね、娘夫婦や孫と遊びに来ている。味が良く、毎年楽しみにしている」と話す。
 本年度は8園が約80組を受け入れ、119本の木がオーナー契約されている。近年は受け入れ園の数や契約数の減少が続く。榑沼さんは「長く続いた事業なので終了は残念」としつつ、「これまでにできた縁を大切に今後も園独自に受け入れを続けたい」と話す。一部の園は個別の受け入れを継続する予定だ。