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多様な講座開き30年余 NHK文化センター松本教室終了へ 

来年3月末で営業を終了するNHK文化センター松本教室

 歴史や語学、体操など多様な講座を開き、地域住民に親しまれてきたNHK文化センター松本教室(松本市深志3)が来年3月末、営業を終了することが分かった。同センターは、受講者の減少で厳しい事業運営が続いていたところへ新型コロナウイルス禍でさらに利用が減り、その後も回復できなかったことを主な理由としている。受講者の中には、学びを続けたいと自分たちで講座を継続する動きも出てきている。

 松本教室は平成2(1990)年4月、NHK関連企業のNHK文化センターがNHK松本支局の建物内で営業を開始した。同センターによると、通算受講者数は不明だが、今年4月時点で受講者数は約1100人、約200講座を開いている。歴史や文学などを学ぶ教養講座を中心に、手工芸や絵画、音楽、健康ダンスなど多彩で、講師は信州大学の教授らも務める。
 松本教室は受講者に対し、本年度で営業を終了することを伝えている。講座の中には、来年4月以降も自主的に開講できるよう動き出している受講者たちもいる。火曜日に月2回、絵手紙を学ぶ受講者約30人は講師と話し合い、独自に講座を続けていくことを決めた。
 会場は松本教室に近い場所で探し、市第三地区公民館(中央4)を使用できるように準備を進めている。受講者は60~80代で受講歴20年になる人もいる。受講者の林則子さん=茅野市=は「閉鎖を聞いてびっくりした。よい仲間に恵まれて幸せな時間が過ごせているので、みんなで続けていきたい」と語る。
 山形村の大型商業施設・アイシティ21内の教室は継続する。同センターは「オンラインで全国の著名な講師による講座など年間5000件を超える多彩な講座を開講している。アイシティへの移動が難しい方はぜひ利用してほしい」としている。