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加藤正治の生家・一星亭 ボランティア募り家財撤去へ

今冬からボランティアによる片付け作業に着手する一星亭の内部

 生坂村教育委員会が、村出身の法学者で中央大学初代総長を務めた加藤正治(1871~1952)の生家で、国登録有形文化財の旧平林家住宅(一星亭)=上生坂=の保存・活用に向け今冬、屋内に残る古い布団や家具などの家財の片付け作業に本格的に着手する。作業を担う村内外のボランティアを募っている。

 村中心部にある一星亭はもともと庄屋の家で、村の歴史や文化を発信する中核施設となることが期待されている。平成29(2017)年に村が取得。木造2階建て、延べ床面積485平方メートルの主屋と、周囲にある3棟の土蔵などで構成する。
 作業では各棟から、可能な限り古い家財を撤去・廃棄する。専門家らを講師に、文化財登録の経緯や建物の歴史的意義を学ぶ講座を併せて開催する。
 主屋は、古い神棚が残る広間を中心に大小数多くの部屋があり、2階の作業部屋はかつて盛んだった葉たばこ産業の歴史を物語る。村は検討会議で交流スペースやカフェ、宿泊施設などの有効活用法を模索中で、生坂中学校の生徒も昨冬、村議会の模擬議会で宿泊・カフェ活用を提案した。
 片付け・修繕は本年度から、県の「地域発元気づくり支援金」を受けて行う。10~15人程度を募り、12月3日~来年2月前半に3回程度の作業を行う計画だ。担当の村教委社会教育係長・吉川祐貴さんは「家財が残る現状では、利用検討に支障がある。みんなできれいに片付け"生きた文化財"として活用する機運を盛り上げたい」と話す。
 申し込みは村教育委員会(電話0263・69・2500)へ。