地域の話題

パレスチナの平和願い上映会続々

緊急上映会のチラシを手に来場を呼び掛ける有賀さん

 パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘が始まって1カ月。ガザ地区の民間人を中心に多数の犠牲が出る中、松本市で今月、和平を願う緊急の映画上映会が相次いで計画されている。いずれもガザにちなんだドキュメンタリーや劇映画だ。イスラエル軍の侵攻にさらされる現地にも、かけがえのない命や暮らしがあることに思いをはせてほしい―。主催者たちは鑑賞を通して関心が高まるよう願う。

 市民有志でつくる「ガザを知りたい市民の会」は23日にドキュメンタリー「ガザ 素顔の日常」の上映会を開く。ガザの女性や若者を取材した作品からはファッションやサーフィンに興じる「私たちと何ら変わらない一人一人の日常が見える」(同会)。一方、イスラエルによる封鎖政策で「天井のない監獄」と呼ばれ、死や貧困と隣り合わせにある暮らしを映し出す場面も。
 発起人の元教諭・有賀ふく江さん(72)=同市原=は「映画に登場する人たちは今、無事だろかと考える。距離は遠くとも皆でパレスチナの問題を学び、思いを寄せる機会にしたい」と話す。
 NPO松本シネマセレクトは「パレスチナ子どものキャンペーン」勝手に支援上映と銘打って19日に、ジャーナリスト・古居みずえさんの監督作品など3本を上映する。宮嵜善文理事長は「イスラエルによる攻撃は常軌を逸している。人ごととせず関心を持ってほしい」と話していた。
 両日とも余剰金は全額、NGOパレスチナ子どものキャンペーンに寄付される。問い合わせは19日がセレクト(電話0263・98・4928)、23日は有賀さん(電話0263・46・0624)へ。