地域の話題

軽妙な落語で文化祭沸く 全盲の中田芳典さんが披露

落語を披露する中田さん

 松本市の宮渕日向町会の文化祭がこのほど、宮渕日向・宮渕東公民館で開かれ、地元に住む全盲の中田芳典さん(67)=蟻ケ崎=が趣味で取り組んでいる落語を披露した。来場者は中田さんの軽妙な語り口に笑いながら聞き入り、終演後に大きな拍手でたたえた。

 中田さんは、あおぼし亭よし吉の芸名で約10年にわたって活動している。今回は依頼を受けてから、1日に1~2時間ずつ稽古を積んだ。ともに泥棒が題材の「締め込み」と「出来心」を表情を豊かにしたり、手ぶりを交えたりして口演し、聞いている人たちを巧みに話の世界に引き込んだ。
 子どものころから落語が好きで、プロのはなし家のラジオ番組やインターネットの動画投稿サイトの落語を聞いて、さまざまな演目を覚えているという。
 中田さんの落語の披露は、文化祭のプログラムの一環として行われた。口演の立案や出演交渉に携わった公民館長の赤穂竹司さん(70)=宮渕3=は「町会の皆さんが喜んで聞いてくれてよかった」と笑顔だった。