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備え万全に防災訓練 松本の四ツ谷東町会は黄色いタオルで安否確認

避難所のあがた運動公園芝生広場に集まった町会の人たち

 松本市第三地区の四ツ谷東町会(小口裕康町会長)は5日、防災訓練に取り組んだ。全約400戸の住民が一人も取り残されずに避難することが目標で、隣近所で助け合い、車いすや手押し車の高齢者を伴って避難所のあがた運動公園芝生広場に集まる手順を確認した。全行程を実施するのは4年ぶりにもかかわらず約300人が参加し、有事に備えて実践した。

 午前8時半に放送が入るとまず、各戸が「我が家は無事です」と書かれた町会オリジナルの黄色いタオルを玄関先に掲げてアピール。助けてほしい人はタオル裏側の「SOS」が書かれた面を出すことを確認した。
 その後、町会内4地区の42班ごとに集まり、班長がメンバー各戸の状況を報告書に記入。「単身世帯になった」「進学で子供がいなくなった」など年ごとに状況が変わるため、1軒ずつ丁寧に聞いた。最近、引っ越してきたばかりという1地区2班の寺岡一郎さん(56)は「足が悪いので、近所の人に知っておいてもらえると安心」と話していた。
 このスタイルの防災訓練を始めて7年目で、町会内の意識が徐々に高まっている。今回のタオル利用率は95%、確認できた全世帯の人数は820人に上った。太田昌宏防災部長(60)は「訓練を通して、避難ルートに危険がないかなどもチェックしていきたい」と話していた。