教育・子育て

ハンディある子供を支えたい NPO法人の県支部発足、始動

 社会的なハンディキャップがある子供を支援している「NPO法人スマイルこどもの家ちょこ」(埼玉県新座市)の長野県支部が始動した。家庭内での虐待や経済的困窮、障害などがある子供の生活を、地域の人たちと共に支える活動を探る。5日は県支部の紹介で、らあめん寸八(松本市筑摩4)が松本児童園(島内)でラーメンを振る舞い、子供たちを喜ばせた。

 支部の設立は同法人としては初めてで、信州大学医学部特任講師で小児科医の元木倫子さん(51)=原=と、同学部保健学科講師の石田史織さん(41)=岡田松岡=ら3人でつくった。「子供はみんな楽しく、のびのび、すくすく育ってほしい」という理念に共感した。
 ラーメンの振る舞いは、元木さんらの子供と、寸八を経営する堀江勇太さん(44)=岡田下岡田=と妻のひとみさん(40)の子供が小学校の同級生だった縁がきっかけになった。
 堀江さんがキッチンカーで園内に入ってくると「ラーメン屋さんが来た」と子供たちは笑顔に。「めちゃめちゃうまい」と話し、お代わりもあった。堀江さんは「おいしいという言葉が聞けて、来てよかった」と話した。
 県内のラーメン店でつくり、寸八が加盟する信州麺友会には、子供の福祉施設でラーメンを提供したいという思いがあり、最初の一歩として堀江さん夫妻が実行した。
 県支部は9月、松本児童園の職員を対象に、発達障害や虐待を受けた子供たちへの接し方を学ぶ「子供の心の勉強会」を開き、活動をスタートした。一柳明美園長は「子供への対応で迷っている部分などでアドバイスを受けられた。職員に対して、こうしたケアはなかったのでありがたい」と話す。勉強会は定期的に開催する。
 県支部は、児童園での放課後の学習支援などの活動も考えている。元木さんは「地域の皆さんと一緒に、それぞれの得意分野を生かし、ハンディキャップがある子供たちを支援したい」と話している。

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