連載・特集

2023.11.25みすず野

 松本市の松本第一高校を卒業し中央大学を経てプロ野球セ・リーグの横浜DeNAベイスターズで活躍している牧秀悟選手が今季、打点王を獲得した。県内出身では中山村(現松本市)生まれの中島治康(1909~87)以来の快挙と報じられた◆この中島という人物に興味を抱いた若い野球ファンもいたのでは? 中島は昭和3(1928)年の第14回全国中等野球大会(現全国高校野球選手権大会)で優勝した松本商業学校(現松商学園高校)の主戦。その後早稲田大学で野手として活躍、ノンプロを経て11年に東京巨人軍に入団した◆巨人では右翼手として右前打を「素早く前進して捕球し、一塁でアウトにする」ライトゴロが特技だったと小紙が連載した評伝「脚光」が伝えている。打撃では通算で首位打者2回、本塁打王2回、打点王4回獲得したとも◆牧選手の話ももう少し。高校時代に対戦した投手に当時の印象を聞くと「太ももがゴツくていかにも打ちそうな雰囲気で、甘い球は見逃さないで打たれた」。打点王となる片りんをのぞかせていたようだ。初獲得した年を阪神タイガースの日本一と合わせれば覚えやすいだろう。