2023.11.18 みすず野

　仕事を終えて帰宅すると、リビングの机の上にレターパックがあった。もしかしてと手早く封を切ると、出てきた。予約して待ちに待っていた特別展「映画監督　山崎貴の世界」図録だ◆刊行が遅れると報道や通知があったときは少しがっかりしたが、その分、良いものに仕上げてくれているんだと、気を取り直した。その考えに間違いはなく、ページを繰るたびに松本市美術館で開かれた展覧会の鑑賞時の感動がよみがえった。これから何年たっても記憶の中だけでなく、展覧会の様子を図録でしっかり思い出せるのもうれしい◆５年前、山崎貴さんにインタビューした。日本を代表する映画監督を前にして、最初は硬くなったが、山崎さんの気さくな人柄や懐の深さに触れるうちに緊張はほぐれ、山崎さんの言葉一つ一つに夢中で聞き入った。山崎さんの人としての魅力も知ることができ、ますますファンになった◆山崎さんの作品「ＤＥＳＴＩＮＹ鎌倉ものがたり」の主題歌「あなた」が、宇多田ヒカルの復活ライブツアー初日、オープニングで歌われたことも忘れない。公開中のゴジラをはじめ、今後も山崎さんの作品は見逃せない。