連載・特集

2023.11.11 みすず野

 もう1人の「みすず野」氏が、阪神タイガースのことを既に書いていたが、38年ぶりの日本一ということで、もう1題だけご容赦を願いたい。というのも、塩尻市出身で松本工業高校を経て、同球団の投手として活躍した御子柴進さんの名前が、今季のペナントレース終盤で一部報道に登場したからだ◆リーグ優勝決定後、来季をにらんで新人の門別啓人投手が先発した試合があった。5回を0点に抑えたものの打線の援護がなく、勝利投手にはなれなかった。もし勝利投手になっていれば、球団としては御子柴さん以来40年ぶりの高卒ルーキーの勝利だった◆それほど長い間、御子柴さんの記録に追いつく投手が出ていないことに驚き、同郷として誇らしくもあった。細身の全身を使う、下手に近い横手投げの格好いい投球フォームがまぶたの裏に浮かんだ。14年間で通算18勝26敗2セーブの成績を残して引退。同球団のコーチを経て現在は相手チームの状態を探る先乗りスコアラーをしている◆少子化や多様化で松本地方の少年野球チームの減少を聞く。だが、その中でも、御子柴さんのように活躍する選手が現れるのを願ってやまない。