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綿半の子会社が筑北で養豚事業 坂井の養豚団地に畜舎

村畜産クラスター協議会の設立総会で会長に就任した綿半ファームの小川社長(左)

 県内外でホームセンターなどを展開する綿半ホールディングス(本社=東京都、本店=飯田市)の子会社・綿半ファーム(千曲市、小川多々雄社長)が、筑北村坂井下安坂追沢で養豚場の建設を計画している。約10年前まで長年稼働した旧養豚団地の跡地約1.1ヘクタールに衛生管理に優れた最新の豚舎を建設し来年度中の稼働を目指す。筑北地域の遊休農地を活用して飼料米の生産にも取り組む方針。令和10年度までに年間5000頭の出荷を目指す。

 同社は昨夏に千曲市の畜産農家の養豚事業を引き継いで設立し、現在は繁殖用の母豚約120頭を飼育する。将来的に千曲市側で主に繁殖を、筑北村側で飼育・出荷を担う仕組みを作り、豚肉を主に国内の綿半グループ店舗で販売する計画だ。同社は今月末、古い豚舎を解体した旧養豚団地の敷地を購入した。
 30日に村役場で、村内畜産の収益性向上を目的とした組織「村畜産クラスター協議会」の設立総会があり、綿半ファームと、乳牛を飼育する安坂牧場(坂井)、稲作などを担うちくほく農場(同)の3事業者を取り組み主体に設立した。会長に就任した小川社長は「地域と共に手頃でおいしく安心安全な国産豚の供給に取り組み、村の農業活性化の一助にもなれば」と話した。
 事務局として総会に立ち会った太田守彦村長は、坂井地域での養豚業の復活や生産される豚肉の特産化、遊休農地対策に期待し「農畜産業を取り巻く環境が厳しい中で明るい話題だ。村も力強く支援したい」と述べた。