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没後50年 古田晁しのぶ 塩尻で墓参ツアー

古田の墓前で手を合わせる参加者

 筑摩書房を創業した塩尻市北小野出身の古田晁(1906~73年)の没後50年となる命日「滂沱(ぼうだ)忌」(10月30日)を前に29日、墓参ツアーが行われた。市内外の文学ファンや古田晁記念館協力会員など24人が北小野にある古田の墓を参拝し、郷土の出版人をしのんだ。

 参加者は記念館の近くにある古田の墓前に線香と花を供え、手を合わせた。古田と親交のあった昭和期の作家、研究者らの書簡や原稿などを展示した館内を見学した。
 記念館と市立図書館が共催する墓参ツアーは3回目となる。過去2回は塩尻の特産品ワインにちなみ、忌日の名を「葡萄酒忌」としていたが、今年から筑摩書房の社員が古田をしのび、詠んだ俳句「滂沱忌と名付けたき師よ神無月」から「滂沱忌」と改めた。
 かつて書店に勤務し、筑摩書房社員とも交流があったという参加者の木田忠巳さん(70)=松本市中山=は「(古田は)長野県を代表する文化人。筑摩書房は戦中・戦後を通じて素晴らしい出版物を世に出し、今もファンは多い」としのんでいた。