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縄文人の土器作り体験 朝日美術館がワークショップ

朝日村の土を使った土器や小物を自由に作る参加者と見守る濱田さん(右)

 縄文遺跡が多く出土している朝日村の土を使い縄文人のものづくりに近いやり方で土器作りを楽しむワークショップ(WS)が28日、村内で開かれた。朝日美術館が10月に全2回企画し、前回WSで村内外の約20人が制作した土器を野焼きして仕上げた。作品は11月4、5日の村文化祭に展示する。



 生地は村内で採取した粘土質の土、テラコッタ粘土、村内の鎖川の砂利を混ぜて作り、昔ながらの輪積みの方法で成形した。一人一人自由な発想で、土器のほか皿、オブジェなど50点余りができた。
 野焼きは、美術館近くのあさひ保育園の園庭に穴を掘って午前9時半から夕方まで約7時間実施。土器が割れるのを防ぐため、最初はたき火の周りに土器を置き、徐々に火に近づけた。最後はおきの中に土器を入れてまきを重ね、強い火力で焼いた。土器が焼ける様子を見守りながら、おきで芋やリンゴも焼いて味わった。
 安曇野市穂高の丸山浩通さん(42)は「初めての体験で感慨深い。縄文人もこうやって作っていたのかと想像すると人の営みを感じる」と話した。
 穴の中で冷ました後、29日に取り出す。文京区の写真家・髙村達さん(56)は皿やプレート、表札を作り「土器の色の変化が興味深かった。どんな風に仕上がったか楽しみ」と期待を膨らませた。
 美術館で11月26日まで開催中の個展で、村の土で造形した作品を紹介している安曇野市の彫刻家・濱田卓二さん(39)が手ほどきした。濱田さんは「自然の中で火の熱や風を感じ、ものづくりの楽しさを味わってもらえたら」と話していた。