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日本舞踊・西枝会29日公演 前会主・西川喜代枝さん追善 豊科公民館で

会主の西川喜優さん。第3部はかつら・衣装付きの本格的な舞台になる

 安曇野市豊科に稽古場がある日本舞踊の正派西川流西枝会(東京都調布市)は29日午前10時半から、9年ぶりの西枝会公演を豊科公民館ホールで行う。昨年88歳で亡くなった豊科出身の前会主・西川喜代枝さんの追善舞踊会で、喜代枝さんに長く学んだ門弟らが感謝の気持ちを抱いて本格的な舞台に立つ。

 西枝会公演としては15回目で、豊科公民館ホールを利用するのは第6回以来、30年ぶりになるという。
 喜代枝さんは6歳で日本舞踊を始め、豊科高校を卒業と同時に6歳で名取になった。27歳で結婚してからは東京と豊科を往復しながら双方の教室で指導してきた。会主の西川喜優さん=東京都三鷹市=は「地元愛で、地域の芸能を大切にしていた」と振り返る。
 公演には喜代枝さんの弟子ら約30人が出演する。追善映像を挟んで常磐津の「老松」と長唄の「老松」が披露される。老松は喜代枝さんが大好きだった曲で、第1回西枝会で長唄の老松を、人生最後の舞台となった令和3年の発表会で常磐津の老松を踊った。西枝会を陰で支えてきた夫の栗林良行さんは「老松に始まり老松に終わった、舞踊一筋の人生だった」としのぶ。
 第3部はかつら・衣装付きの本格的な舞台になるという。喜優さんは「こういう舞台を見る機会はなかなかないと思う。日本の古典芸能に親しんでいただきたい」と語る。
 入場無料。問い合わせは西枝会事務局(電話042・482・9707)へ。