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アルウィンスタンドで"ファインセーブ" 観客が連携、心肺停止の男性救う

 松本市の総合球技場・サンプロアルウィンで15日に開催されたサッカーJ3松本山雅FCとAC長野パルセイロとの一戦「信州ダービー」で、試合中に心肺停止状態となった観客の70代男性が、観戦していた看護師らスタンドにいた観客らの連携で一命を取りとめた。松本広域消防局警防課は「一つでも連携がつながらなければ助からなかった可能性がある」としており、関係者は救命救急活動の大切さを訴えている。

 同局警防課によると、男性が意識を失ったことに気が付いた観客が応援を求め、観戦中だった看護師が周りの観客と交代しながら胸骨圧迫を続けた。同時にスタジアムにあった自動体外式除細動器(AED)も使用した。男性は呼吸が戻った後に市内の病院に運ばれ、現在は回復に向かっているという。
 山雅では平成23(2011)年に、選手だった松田直樹さん(享年34)が練習中に急性心筋梗塞で倒れて他界した事案があった。このことを受けて、クラブは選手やスタッフ、ボランティアを対象にした救命講座を行うなど啓発活動に力を入れてきた。試合時はスタジアムに備え付けのものとは別にAEDを用意している。サンアルでは「救急の日」の9月9日に、消防局の協力で観客らに救急救命活動の方法を紹介したばかりだった。
 一命を取りとめた男性と一緒に、地域リーグ時代から山雅を応援する家族の女性は「自分たちと同じ気持ちでアルウィンに集まっている方々に助けていただいた。感謝してもしきれない。本当にありがとうございました」と話している。