長芋の模型完成 エクセラン高生が山形で引き渡し

JA松本ハイランド根菜部会の依頼で、松本市のエクセラン高校生徒が制作した長芋の種芋模型2点が完成し、23日に山形村の同JA山形支所であった長芋目ぞろい会に合わせて引き渡し式が行われた。理想的な種芋の形状を本物そっくりに再現した作品だ。良質な長芋の生産に欠かせない優れた種芋を将来にわたって残す見本として、部会の講習会や種の選抜会で活用する。
同校美術科彫刻・工芸専攻2年の垣内那菜さん(16)、久保寺翔淑さん(17)を中心に制作し、3年の茅野匠海さん(18)ら先輩2人がサポートした。
長さ約54センチ、太さ約5センチで、下部にかけ、ぽってりと肥大した理想の「とっくり形」を再現した。芯の竹に金網とアルミホイルを巻いて土台を作り石粉粘土で造形。芋のひげは金網に付けた麻ひもで表現した。アクリル絵の具で色付けし、より本物に近づけるため表面の質感や細部の凹凸にまで気を配った。
垣内さんは「見本の種芋を触ってみると単調な形ではなくいろんな気付きがあった。経験を今後の制作に生かせそう」と振り返り、久保寺さんは「個人制作とは違い、人のためになる作品作りができてうれしい」と話した。
模型を受け取った中川信隆部会長と中村宏副部会長は出来栄えに感心し、生徒に感謝の気持ちを伝えた。中川部会長は「いい種芋を目指し、栽培技術を磨いていく。細部まで手の込んだ作品を仕上げてもらいありがたい」と話した。
種芋の生産・選抜を長年担ってきた村内生産者の高齢化で種の保存が課題となり、種の選抜を継承した部会が4月に学校に制作を依頼した。今季の収穫は29日に解禁される。