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山村蘇門公を知ろう 木曽代官の名君 没後200年 木曽町 顕彰展へのぼり旗掲げ 福島中心街 代官屋敷で28日から 

福島中心街に掲げられたのぼり旗。蘇門公没後200年の節目を住民や観光客に伝えている

 江戸期に木曽谷を治め、中山道・福島関所を守った尾張藩木曽代官山村家の9代目当主で、財政再建や文化振興に力を尽くした山村蘇門公(本名・良由、1742~1823)の没後200年を迎えた今秋、代官屋敷のある木曽町福島を中心に顕彰事業が繰り広げられる。代官屋敷や町図書館などでは蘇門公の治績を紹介する企画展があり、顕彰機運を高めるのぼり旗やポスターも街なかのあちこちにお目見えした。町の礎を築いた偉人をたたえ、まちづくりに生かそうと官民を挙げて盛り上げている。

 山村代官屋敷では28日~12月17日、企画展「没後200年 木曽の名君 山村蘇門 交流と探求の足跡」が開催される。蘇門公と山村家に関連する古文書や絵画、版木、調度品などの資料65点ほどが並ぶ予定。全館を活用した初の企画展に向けて準備が進んでいる。
 町教育委員会は展示会に向けて館内の説明書きなどを一新した。主に紺色と白を基調にした落ち着いたデザインで、従来よりも文字が大きくなり、展示ケース越しでも見やすくなった。
 福島中心街には企画展をPRするのぼり旗が揺れる。町商工会木曽福島支部が75本製作し、八沢、本町、上町、中島の商店の軒先などに掲げた。町が作ったポスターと統一したデザインで、旗の中央に赤色で「山村蘇門」と大きく据えた。蘇門公の肖像と伝わる木像の画像、没後200年を記念するロゴも入れた。

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 木曽町図書館では11月29日まで、蘇門公の人柄や功績などを紹介する展示会が開かれている。入門編の位置付けで、政治・文化の両面で活躍した蘇門公に関するいろはを分かりやすくまとめた。
 子供たちにも知ってもらおうと、福島地域のキャラクターである福ちゃんとしまちゃんの会話調で「蘇門公ってどんな人?」「どんなすごいことをしたの」「文学でもすごい人って聞いたけれど」と分かりやすくかみ砕いた説明パネルを設けた。
 所蔵する関連本なども約40冊そろえたほか、会場には江戸後期の文化13(1816)年に蘇門公が江戸屋敷に詩友を招いた宴で、参加者が詠んだ漢詩を収録した『暢情集』の版木実物と複製冊子も並ぶ。
 青木裕美恵館長は「来館者に(蘇門公や町の歴史に)興味を持ってもらい、他の施設を巡るきっかけにもなれば」と願う。
 入館無料。午前10時~午後6時(土日・祝日は5時)。火曜休館(10月26日・11月6、24日も休館)。