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103歳で25本の歯保つ 宗賀の中野有美さん しおじり優良口腔ケア表彰29人・1団体に

103歳で25本の歯を保つ最高齢賞の中野さん

 口腔状態が優良な高齢者や、ケアに熱心に取り組む介護者らをたたえる「しおじり優良口腔ケア表彰」の式典が19日、塩尻市内で開かれ、29個人と1団体が表彰された。103歳で25本の歯を保ち、家族と同じ食事で健康的な生活を送る中野有美さん=宗賀平出=が、高齢者部門で最高齢賞を受けた。

 中野さんは、週2回利用するデイサービスセンター・すがのの郷で、塩筑歯科医師会の細川安伸会長から表彰状を贈られた。「ありがとうの感謝だね。なんでも食べられるのがうれしい」と話した。
 大正9(1920)年9月生まれで、19歳で国鉄職員となった。21歳で陸軍の鉄道隊に入り、シベリア抑留を経験して30歳で復員した。家業の農業を継ぎ、食肉用鶏の飼育やブドウ栽培を手掛けた。
 せんべいやリンゴなど硬くかみ応えのある食品を好む。今は次男の妻が食事を作るが、97歳ころまでは自炊した。食事後に歯を磨き、歯間ブラシの利用も欠かさない。妻・武さんは20年前に他界。心筋梗塞で入院経験があり、近年は車椅子を使うが元気で「自分の体は自分がよく分かっている。口腔ケアは大事にしないと」と注意を払う。
 日本歯科医師会は、80歳以上で歯を20本以上保つことを奨励する。市の優良口腔ケア表彰は塩筑歯科医師会と、市在宅医療介護連携推進協議会の口腔・摂食・嚥下関係委員会の主催、松本歯科大学の共催で、本年度は自薦も含め広く募った。90歳以上か、75歳以上の要支援認定・要介護認定者で歯が20本以上残る人を対象にする高齢者部門は、77~103歳の25人が受賞した。